甲木と乙木、丙火と丁火…物象を通して文字が生き生きと立ち上がります。
先ほど、八字を五行の五つの気に置き換えて説明しました。ですが、実際の四柱推命の文字は天干10個と 地支12個でできています。そしてここでとても大切な事実が一つあります。同じ五行でも、陰陽によって性格がかなり異なります。 だから「自分は火の日干」というだけでは足りず、その火が丙火なのか丁火なのかまで見て、初めて本当の自分が見えてくるのです。
天干は天の気十個です。五行ごとに陽干が一つと陰干が一つ、対になっています。例えば同じ木(木)でも、甲木(甲)はまっすぐ伸びる大きな木で直線的、推進力が強く、乙木(乙)はつる草や草花のように柔軟に巻きついて伸びる色合いです。同じ木でも、一方は棟木、もう一方はつる草というわけですね。
火も同じです。丙火(丙)は世界全体を広く照らす太陽のようで、おおらかで開放的。丁火(丁)は暗闇をほのかに照らすろうそくのようで、集中力があり繊細です。金属も、庚金(庚)は素朴な原石・斧のようで、辛金(辛)は磨き上げられた宝石・刃物のようです。こんなふうに物象で描いてみると、文字の一つひとつが人のように生き生きしてきます。
地支は地の気十二個です。私たちがよく知る十二支の動物(ネズミ・ウシ・トラ・ウサギ…)が、まさに地支です。地支は単に五行が一つというだけでなく、季節・時間・方位・動物を同時に併せ持っています。例えば寅(イン)は春の始まりであり、トラであり、木の気でもあります。そして地支は表向きは一文字ですが、内側にいくつもの天干を隠しているのです。この話が、まさに次の「蔵干」の単元です。
まとめると、五行が大きな筆致だとすれば、天干・地支の性質は繊細な筆致です。同じ火の日干でも丙火と丁火が違うように、ここまでの色合いを知って初めて「なぜ自分はこういう人間なのか」がはっきり見えてきます。
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