寅から出発して生まれた月の数だけ進み、生まれた時の数だけ戻った枠です。
前の章で、十二の枠の位置は固定だとお話ししました。それなら人によって命盤が変わるのは、どの枠が命宮になるかという一点にかかっています。この章では、それを実際に立ててみましょう。紫微斗数で最初に、そして最も多く使う手順です。
規則は二つの文で表せます。寅宮を正月として、生まれた月まで順行し、 その位置から生まれた時の数だけ逆行した枠が命宮です。順行は地支の順番(寅・卯・辰……)どおりに進むことで、逆行はその逆です。
1. 寅のマスに指を置き、「正月」と数えます。
2. 生まれた陰暦の月まで順行で数えます。4月生まれなら寅・卯・辰・巳、四番目の巳で止まります。
3. 止まった位置を子時として置き、生まれた時刻まで逆行して数えます。巳の刻生まれなら、巳(子時)・辰(丑時)・卯(寅時)・寅(卯時)・丑(辰時)・子(巳時)と五マス戻ります。
4. 止まった枠が命宮です。
なぜよりによって寅宮から始まるのでしょうか。昔の暦法で一年の最初の月を寅月(旧暦正月)としていたからです。四柱推命で立春を新年とするのと同じ根っこです。紫微斗数は命盤の最初の枠にまで、その慣習をそのまま引き継ぎました。
ここで紫微斗数が生まれた時間に特に敏感な理由が明らかになります。時が一枠ずれるだけで命宮はそのまま隣へ移り、十二宮がすべて一枠ずつ回転します。同じ日に生まれても二時間の差で別の命盤になるのです。四柱推命は生まれた時刻がわからなくても六文字は残りますが、紫微斗数は時刻がなければ命盤そのものが成立しません。
身宮は同じ位置から向きだけ変われば求められます。生まれた月まで順行したその位置から、今度は生まれた時刻の分だけ順行します。だから命宮と身宮は常に対になり、子時生まれの人は戻ることも進むこともないので二つが重なります。
命宮が決まれば、残りは自動的に決まります。命宮から逆行で兄弟 → 夫妻 → 子女 → 財帛 → 疾厄 → 遷移 → 奴僕 → 官禄 → 田宅 → 福徳 → 父母。この順序は誰にとっても同じなので、命宮のマス一つがわかれば、十二宮すべてが定まります。 次の章では、この盤の上に星を置くための準備、すなわち五行局を見ていきます。
本コンテンツは伝統的な命理学・占星学に基づく参考・娯楽目的のものです。