十二の枠に十四星。空く枠が出るのは当然です。
命盤を初めて受け取ると、驚く点があります。星がひとつもない枠が目に入るのです。よりによってそれが自分の夫妻宮や財帛宮だったりすると、どきりとします。「自分はこちら側が空っぽなのか」と。
ところがこれは算数の問題です。マスは十二あるのに主星は十四あります。一つの宮に入る主星は多くても二つです。だからどこかのマスは二星を分け合い、その分だけどこかが空になります。計算してみると、ちょうどこの数に落ち着きます。
星が二つ入る宮 − 空宮 = 常に2
だから空宮の数は0個・2個・4個のいずれかにしかなりません。空宮が六つある命盤は存在しません。誰の命盤でもそうです。
空の宮を昔の人は空宮と呼びました。そして空だからと読み飛ばさず、独自の読み方を用意しておきました。向かい側の宮の星を借りてくるのです。借りてくることから借星と呼びます。
なぜ、よりによって向かいの宮なのでしょうか。17章の三方四正がその答えです。もともと一つの宮を見るときは、対宮と三合の二つの位置を必ず一緒に見ることになっています。本宮が空であれば残りの三つがその位置を代わりに埋めることになり、そのうち最も近いのが正面から向き合う対宮です。空宮は特別な例外ではなく、いつもどおりの読み方で読めばよい位置です。
空宮の性質をあえて言葉にすると、「定まっていない」に近いです。決まった色がないので、状況や人によって変わります。命宮が空だと「自分はこういう人間だ」と言い切りにくく、その分文脈をよく汲み取る人になることもあります。空だからといって何もないという意味ではなく、空いているからこそ受け入れる宮だと捉えていただければ結構です。
反対に星が二つ重なった宮は、そちら側に重みが偏った場所です。力は強いですが、二つの性質がぶつかることもあります。紫微と天府のように相性の良い組み合わせが重なれば力が集まり、相性の違う二つが重なれば内側で引っ張り合います。どちらにしてもその宮は語ることが多いという意味です。
本コンテンツは伝統的な命理学・占星学に基づく参考・娯楽目的のものです。