西洋占星術と一つずれた、恒星基準の12ラーシです。
ヴェーダ占星術で空を十二に分けた星座をラーシ(Rashi)と呼びます。牡羊座・牡牛座・双子座…名前とシンボルは、私たちが知る西洋の十二星座と同じです。ですが基準とする空が互いに異なるため、同じ日に生まれても、ラーシの名前が違って出ることがとても多いのです。
西洋占星術は春の始まり(春分)を常に牡羊座0°に固定して計算します。これをトロピカル(季節基準)と呼びます。一方ヴェーダ占星術は恒星を固定の基準点としてとするサイデリアル座標を使います(星座の境界は変わらず30°ずつ等分します)。ところが地球がとてもゆっくり揺れる(歳差運動)ことで二つの基準が少しずつずれ、今では約24度の差が生じています。この差をアヤナームシャと呼ぶのです。
そのため、ヴェーダ占星術では星座の境界がだいたい一つ分前にずれています。例えば西洋基準で「獅子座」の人は、ヴェーダで計算し直すと、たいてい蟹座になります。初めて自分のラーシを見ると「あれ、星座が変わった?」と驚きやすいのですが、間違っているのではなく、基準が違うだけです。
十二のラーシは、さらに四つの元素にまとめられます。火(牡羊座・獅子座・射手座)は情熱と推進力、土(牡牛座・乙女座・山羊座)は安定と現実感、風(双子座・天秤座・水瓶座)は思考と伝達、水(蟹座・蠍座・魚座)は感情と直感を表します。上のホイールの色が、まさにこの元素です。
また、それぞれのラーシには「家主」のような支配惑星(ルーラー)が一つずつあります。牡羊座は火星、牡牛座は金星、蟹座は月、獅子座は太陽が支配する、という具合です。どの惑星が支配するかによって、そのラーシの気質が色づけられます。火星が支配する牡羊座が炎のように進取的であるようにです。
ここでインド占星術ならではの大きな特徴が出てきます。西洋の大衆占星術が太陽のある星座を好んで見るのに対し、インド占星術では月があるラーシを特に重視します。これを生まれた瞬間の心の在り処という意味でジャンマ・ラーシ(Janma Rashi)と呼びます。太陽が外に表れる方向だとすれば、月は自分の感情と心が落ち着く土台なので、実際の気質は月のラーシのほうがよく説明してくれるのです。
そこでヴェーダ占星術で自分を読み解く第一歩は、このビッグ3です。感情の土台である月ラーシ、世界に見せる外見であるラグナ(上昇宮)、そして魂の方向である太陽ラーシ。この三つとそれぞれの支配星を知れば、自分の性質の大まかな輪郭が見えてきます。もちろん楽しみと参考程度に受け止めてください。一つの星座だけで人が決まるわけではありませんから。
本コンテンツは伝統的な命理学・占星学に基づく参考・娯楽目的のものです。