黄道をさらに27に細かく分けた、月の星座です。
ラーシ(Rashi)が空を12区画に分けた大きな星座だとすれば、ナクシャトラ(Nakshatra)は同じ空を27区画にさらに細かく分けた「月の星座」です。インド占星術が西洋占星術より繊細だと言われる理由は、まさにこのナクシャトラのおかげなのです。
空一周(360度)を27に分けると、一区画が約13.3度になります。月は一日にそれくらいずつ動くので、ほぼ一日に一区画ずつナクシャトラを移っていきます。だから「自分が生まれた瞬間、月がどの区画にあったか」が、そのまま自分のナクシャトラになります。ラーシがひと月をともに使う広い部屋だとすれば、ナクシャトラはその部屋の中で日ごとに変わる位置というわけです。
では、ラーシとナクシャトラはどう違うのでしょうか。ラーシは筆で描いた大きな絵で、ナクシャトラは、ペンで描いた繊細な線と考えると分かりやすいです。同じ蟹座(ラーシ)生まれの人でも、その中でどのナクシャトラにいたかによって気質や雰囲気がかなり変わります。だから、ヴェーダ占星術では性格や相性、時期の流れを見るとき、ラーシよりもナクシャトラをより細かく見ていくのです。
ナクシャトラごとに付けられる四つのラベル
27個の部屋には、それぞれ固有の性格表がついています。一つ目は支配星(ルーラー)。その部屋を司る惑星です。二つ目は主宰神(deity)。その星座を守る神話上の存在で、その部屋の雰囲気をそれとなく教えてくれます。三つ目はシンボル(symbol)。馬の頭や蓮の花、王座のように一目でイメージできる絵柄です。四つ目は核となるキーワード。その星座をひと言でまとめた性格です。
例えば最初の区画であるアシュヴィニー(Aśvinī)は、支配星がケートゥ、シンボルが馬の頭、キーワードは「素早い始まり・癒やし」です。そのため新しく始める力と癒やしの気運があると読みます。またマガーはシンボルが玉座なので「王権・遺産」を、アヌラーダーはシンボルが蓮の花なので「献身・友情」を語ります。こうして絵を一つ思い浮かべるだけでも、その区画の雰囲気がぼんやりと感じられます。
一区画をさらに四つに。パダ
ナクシャトラはここでもう一段精密になります。一区画(約13.3度)をさらに四つに分けた区画をパダ(pada)と呼びます。第1パダから第4パダまで、一つのパダは約3.3度です。同じナクシャトラの中でも、どのパダにあるかによって強調される性格が少しずつ変わるので、自分をもっと具体的に描き出せます。
ナクシャトラが特別に重要なもうひとつの理由があります。それは人生の時間割を開く鍵という点です。生まれた瞬間に月が置かれていたナクシャトラの支配星が、人生を時期ごとに分けるダシャー(Dasha)の第一章を決めてくれます。この話は次の章で詳しくお伝えします。今は「自分のナクシャトラが人生のリズムを開く出発点なんだ」ということだけ覚えておけば十分です。
最後に、ナクシャトラは決まった運命ではなく、自分を理解するための楽しい地図です。良い区画、悪い区画が別々にあるのではなく、それぞれ違う色合いの個性があるだけです。気軽に参考にしながら楽しんでみてください。
生年月日と生まれた時間を入力すると、生まれた瞬間に月が27の区画のどこにあったのかをお調べします。
例えば最初の枠がアシュヴィニー(Aśvinī)だとすると、象徴は「馬の頭」、主宰神はアシュヴィン双子神(癒やしの神)、キーワードは「素早い始まり・癒やし」。支配星であるケートゥが人生の時間割の第一章を開くというように、あなただけの星座とパダまでぴったり示してくれます。
本コンテンツは伝統的な命理学・占星学に基づく参考・娯楽目的のものです。