はじめに1/25初級

ベーダ占星術とは? — ジョーティシャとサイデリアル

恒星を基準にするインドの『光の学問』です。

インド占星術は、インドで数千年受け継がれてきた空の読み方です。元々の名前はジョーティシャ(Jyotisha)、つまり「光の学問」という意味です。夜空の光(星と惑星)を観察して、人の性質や人生の流れを読み解く学問です。インド最古の聖典であるヴェーダ(Veda)文献にルーツを持つことから、「ヴェーダ」と呼ばれます。私たちがよく知る西洋占星術のいとこのような存在ですが、決定的に異なる点が二つあります。

一つ目は「どの空を基準にするか」です。西洋占星術はトロピカル(季節)黄道帯を使います。春の始まりである春分点を0度に置き、空を12のマスに分けます。季節が基準になっているため、実際の星の位置とは少しずつずれます。一方でヴェーダ占星術はサイデリアル(恒星)黄道帯を使います。恒星を固定された基準点として、空を30度ずつ、十二の区画に均等に分けた座標です。星座の実際の凸凹した境界をそのまま使うのではなく、基準点だけを星に固定しておく方式です。

なぜ二つはずれていくのでしょうか。地球の自転軸がコマのようにゆっくりと揺れる歳差運動のためです。長い年月をかけて春分点が少しずつ後退していくため、今日ではトロピカル座標とサイデリアル座標は約 24度もずれています。この差をアヤナームシャ(Ayanāṃśa)と呼びます。24度は星座ひと区切り分(30度)に近い大きさなので、星座の帯がおよそ一つ分ずつ後ろにずれて見えるのです。

同じ一つの星を、西洋占星術では「獅子座」、ヴェーダ占星術では一つ手前の「蟹座」と呼びます。帯が約24度ずれているためです。

そこで面白いことが起こります。西洋占星術で「獅子座」だと思っていた人が、ヴェーダ式で計算すると一つ手前の「蟹座」になることがとてもよくあります。どちらかが間違っているのではなく、基準とする空が異なることなだけです。ですから「自分は元々何座だったっけ」と驚く必要はありません。二つの体系は、ただ違う地図を見ているだけなのです。

2つ目の大きな違いは「何を先に見るか」です。西洋の大衆向け占いは生まれた日の太陽星座を好んで使います。一方、インド占星術ではラグナ(上昇宮)と月を特に重視し、太陽まで一緒に読みます。その中でも月は心と感情の機微を表すため、特に大切に扱われます。そのためインド占星術で「あなたの星座」と言うと、たいてい月が置かれたラーシ(Rashi)を指します。(ラグナ・月・太陽、この3つの基準点は次の章で詳しく紹介します。)

西洋の大衆向け占星術は太陽を前面に出し、ヴェーダ占星術は月(とラグナ)を特に重視します。

ヴェーダ占星術には西洋にはない独自の道具もあります。空を27の区画にさらに細かく分けたナクシャトラ(月の星座)、九つの惑星が順番に人生を司る時間割であるダシャー、土星が心を通過しながら人生を整えてくれるというサデ・サティなどです。次の単元から一つずつゆっくり出会っていきましょう。

最後に、気楽に覚えておいてください。ヴェーダであれ西洋であれ、どちらがより正しいという優劣はありません。違う視点から自分を映す鏡というだけです。この先も続く話も楽しみと参考用として、自分をもう少し優しく理解するヒントとして、気軽に楽しんでいただければと思います。

例で見てみましょう
生年月日(と生まれた時刻)を入力すると、恒星(星)を基準にしたヴェーダの座標で自分の月のラーシ 太陽ラーシを見つけます。
例えば西洋占星術で「獅子座」だった人が、ヴェーダ占星術では月が「蟹座」に来るというように、西洋の太陽星座と違う結果になることがよくあります。どちらかが間違っているのではなく、基準が違うだけなのです。
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本コンテンツは伝統的な命理学・占星学に基づく参考・娯楽目的のものです。

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