九つの惑星が順番に治める、人生の時間割です。
四柱推命に10年ごとに変わる大きな季節、大運があるなら、ヴェーダ占星術にはダシャーがあります。ダシャーは人生全体を120年周期に分け、九つの惑星が順番に一度ずつ自分を司る「惑星の時間割」になります。この時間割の正式名称はヴィムショッタリ・ダシャー(Vimshottari Dasha)です。
では、この時間割はどこから始まるのでしょうか。それを決めるのが生まれた瞬間、月があったナクシャトラです。前の章で学んだあの「月の星座」ですね。ナクシャトラごとに支配する惑星が決まっているので、自分が生まれたときに月があったナクシャトラの支配星が、自分の最初の時期になります。だからダシャーの順序は誰でも同じでも、人によって「開始ページ」が違い、今通っている季節も人それぞれ異なるのです。
惑星ごとに受け持つ期間の長さが違います。最も長いのは金星は20年、続いて土星19年、ラーフ18年、水星17年、木星16年、月10年、火星・ケートゥは各7年、最も短いのが太陽は6年です。この9つをすべて足すとちょうど120年になり、一周が完成します。だからある惑星の季節は長く留まり、ある季節は短く過ぎ去るのです。
大きな季節ひとつがまるごと一つの気運だけというわけではありません。大きな時期であるマハーダシャーの中には、さらに小さな時期であるアンタルダシャーが九つとして流れていきます。四柱推命でいえば、マハーダシャーが10年単位の大運だとすれば、アンタルダシャーはその中の年ごとに変わる流れに似ています。大きな背景の上に小さな波が幾重にも重なっているわけです。
各惑星の季節は 良い悪いではなく、「色合い」が違います。 土星の季節は責任を持ち、着実に固めていく忍耐の時期、 金星の季節は、愛や芸術、関係が実を結ぶ時期で、 木星の季節は学びと寛容さが育つ時期、 火星の季節は勇気と推進力が湧き上がる時期です。このように季節ごとに似合う仕事や雰囲気が少しずつ違います。
ダシャーを見る理由はシンプルです。今、自分がどの惑星の季節を通っているかによって人生のテーマが変わっていくからです。同じ自分でも、土星の季節には黙々と耐えて基盤を築き、金星の季節には縁や楽しみがぐっと増える、という具合です。生まれ持ったチャートという地図は変わらなくても、その上を流れる季節が変われば、生き方の手触りは変わっていくのです。
ひとつだけ覚えておいてください。ダシャーは「この時期は良くて、あの時期は悪い」と点数をつける表ではありません。冬が悪い季節ではなく、休んで準備する季節であるように、それぞれの惑星の時期も「この時期はこういうエネルギーが強く流れる」という流れにすぎません。その流れをあらかじめ知って、道理に沿って準備すること、それがダシャーを健やかに楽しむ方法であり、あくまでも楽しみと参考用です。
本コンテンツは伝統的な命理学・占星学に基づく参考・娯楽目的のものです。